
プライマリーベルト、冷間時にある程度の余裕(たわみ量)が無いと、温まってからパツパツに張ってしまいます。
ベルト張り過ぎの時によくあるトラブルは…
・エンジン始動時はキック軽いが、暖気後は異常に重くなる。
・メインシャフトからのミッションオイルの漏れ。
(停車中は漏れが無いが、走行中にオイルが衣服に飛び散るなど)
ベルトは張り過ぎよりは緩めの方がデメリットが少なそうです。
★プライマリーベルトの調整方法
1.ミッションプレートの調整用ナット4個、フレームマウントのナット1個を緩める。

ミッション下側を覗くと、ミッションプレートが。
調整用ナット4個、キックカバー下にあるフレームマウントのナット1個の合計5個のナットを緩めます。
※使用するのは9/16インチソケット。

2.ミッションを移動させる。
マウントプレート後方にある2個の六角穴付ボルトを六角レンチ(ヘキサゴンレンチ)を使って締め/緩め調整し、ミッションを移動させます。

※締め込む…ベルトが張る(ミッションが後輪側へ)
※緩める…ベルトが緩む(ミッションがエンジン側へ)
※使用するのは3/16インチヘキサゴンソケット。
3.プライマリーベルトの張り(たわみ量)を調整する。
※ベルトのたわみ量は上下に揺すって約1/2インチ(13mm程度)。
とされていますが、僕は18mm程度に調整しています。
実際やってみると分かりますが、暖気後は思ったよりベルトが張ります。
極寒の日、エンジンがキンキンに冷えた状態で調整した時に、冬場はOKですが酷暑の夏には走行後に張り過ぎになったことがあります。
ベルトが温まって縮むのか、プーリーが温まって膨張するのか、はたまたその両方か…
原因は分かりませんが、トラブル防止も兼ねて時々、走行後にベルトの張りチェックをした方が良いと思います。
ちなみに昔、ミッションオイル漏れで悩んだ時、ベルトの張りが原因だったことがあります。
停車中は全く漏れ無し、ですが走行すると服やチェーンにオイルが飛び散る…
メインシャフトからの漏れで、サンダンスのリークレススペーサーを2回交換してみても直らず…
結局ベルトを緩めると漏れなくなりました。
以来、規定量よりも少し余裕の20mm弱(冷間時)で調整しています。
4.緩めたミッションプレート&フレーム固定の5個のナットを規定トルクで締める。
※締め付けトルクは28~37Nm。
今回は真ん中33Nmで締め付けました。
トルク的に「これで大丈夫?」な感じの強さですが、ミッションがアルミなのでトルク厳守、締め付け過ぎに要注意です。
ナットは緩み止め付きのナイロンナットなので、緩み落下は起きないはず。
※ナイロンの緩み止めが効いていない、スルスル回る場合は要交換です。
5.ドライブチェーンを調整。
ミッションを動かした場合は、チェーンの張りも変わります。
手順は下記の過去記事を参照ください。
6.ベルトのキュルキュル音は交換のサイン?
ベルトの鳴き(キュルキュル音)が始まったら、そろそろ交換の目安、と判断しています。
クラッチシェルとの接触面や、ベルトのコマにシリコンスプレーを吹くと一時的に治まりますが、しばらくすると再び鳴り始めます。
ベルトラインのズレが原因の場合は、ミッション位置を調整すればOKですが、ベルトの摩耗が原因の場合は要交換となります。
ベルトを観察すると、摩耗でケブラー繊維?ほつれの様なものが表面に現れていることも。
過去記事にもありますが、この状態で気にせず乗っていましたが、さらに症状が進むとベルトのコマが剥がれました。
ベルトが鳴き始めたら…
1.まずはベルトの張りをチェック
2.ベルトのラインが真っすぐがチェック
3.前後プーリーとの接触をチェック
4.ベルトの状態をチェック