LT規格タイヤの空気圧の話。
新車時に装着されているブリヂストンDUELERなどの乗用車規格のタイヤと、BFグッドリッチなどLT(ライトトラック)規格のタイヤでは空気圧の設定が大きく異なります。
LT規格のタイヤは、簡単に言うと「頑丈」。
構造が頑丈にできている分、本来の張力や空気バネなどの能力を発揮しようとすると、高い空気圧が必要になります。
JLラングラーの適正空気圧は260kPaです。
でも、これは乗用車規格である純正タイヤ「BRIDGESTONE DUELER H/T 685」の場合。
今回、LT規格であるBFグッドリッチ・オールテレーンT/A KO2に交換しましたので、どれ位の空気圧が適正?と気になり調べました。
グッドリッチ公式サイトによると…
国産4×4クロスカントリー車やSUVなどには乗用車用タイヤ規格 のタイヤが純正装着されています。
このタイヤをLTサイズのタイヤに交換する場合、タイヤ外径、タイヤ幅等の寸法が純正サイズと同クラスであっても規格上、空気圧を高めに設定する必要があります。
これはLTサイズのタイヤが乗用車用タイヤ規格のタイヤより高めの空気圧で使用する構造になっている為です。
これらLTサイズのタイヤを低めの空気圧で使用すると偏摩耗やタイヤへの無理なたわみの増加などにより疲労が蓄積し、タイヤに悪影響を及ぼす事が考えられますので注意が必要です。
乗用車用タイヤ規格の純正指定空気圧に対し一般的には 50kPa(0.5kgf/cm2)程度高めに設定する必要がありますが設定空気圧は各車両、タイヤサイズにより異なりますので必ず販売店にご相談下さい。
とのこと…
要約すると、
「ライトトラック(LT)用タイヤは乗用車用タイヤに比べて構造上、高い空気圧で使用する必要がある。(一般的に50kPa程度高めに)」
ということは、ラングラー純正タイヤが260kPaだからグッドリッチなら310kPa位か??
もう少しちゃんとしたデータが欲しい、ということでホームページを隅まで見て回ります。
プラドやデリカの対応表は掲載されていますが、ラングラーはありません。
公式サイトの問い合わせフォームから質問して、待っている間に自分でも調べてみました。
まずはロードインデックス(LI)から。
↑の画像の「113T」と表示されている113の部分がLIです。
LIはタイヤ一本で支えることのできる最大負荷能力を表す指数で、ネット上の早見表を元に見てみると「1,150kg」。
※ちなみに「T」の部分は速度記号で、最高速度190kmまで耐えられることを表します。
次に、グッドリッチATタイヤ(All-Terrain T/A KO2 LT255/70R18 117/114S LRD)の負荷能力と空気圧の関係を調べます。
JATMA(日本タイヤ規格)の空気圧別荷重能力対応表は公開されていますが、グッドリッチはTRA(米国タイヤ&リム協会)なので、参考になりません。
TRA規格の対応表を手に入れる必要があります。
アメリカのサイトを色々探してみましたが見つからず…
ついでに気になる「Load Range(ロードレンジ)」も調べてみました。
LT規格タイヤにある概念で、タイヤの強度を表しています。
確認すると「D」の表記が。
これは「商用車用タイヤの8PR」に相当し、最高空気圧が450kPa、最低空気圧が250kPa。
やはり純正指定の260kPaだと少なすぎることが分かります。
そうこうしているとグッドリッチから返信が届きました。
TRAによると、ラングラー・アンリミテッド・サハラ純正サイズであるグッドリッチ・オールテレーンタイヤ「255/70R18」の負荷能力と空気圧の関係は以下の通り。
・最大負荷能力:1,285kg→空気圧:450kPa時
・最小負荷能力:850kg→空気圧:250kPa時
(※いずれも冷間時の空気圧)
ということで「適正空気圧は380kPaです」との回答をいただきました。
自分でも検証してみることに…
上の関係を元に計算してみると、負荷能力850kgから1kg増える毎に空気圧が0.46kPa増えていることが分かります。
純正タイヤの負荷能力が1,150kgと分かっていますので、これをもとに計算すると、「およそ388kPa」が適正空気圧となります。
装着しているグッドリッチタイヤのMAX空気圧が450kPaですので、範囲内です。
とりあえず、回答いただいた通りキリの良い「380kPa」で試してみることにしました。
データを元に算出した空気圧、スッキリした~
これから色んな環境で乗りながら、好みに調整したいと思います。
予想では350kPa位かな??
グッドリッチの空気圧で悩んでいる方、公式サイトから問い合わせると適正値を答えてくれますよ。
お問い合わせ | BFグッドリッチタイヤ[BFGoodrich] (bfgoodrichtires.co.jp)
~余談~
海や川など、細かい砂地にスタックした場合、空気圧を一気に抜いて、ブヨブヨ状態にすれば簡単に脱出できます。
でも脱出した後、空気圧を元に戻す必要がありますので、僕はフットポンプ式の空気入れを車に常に積んでいます。
ラングラーはリアゲート下部のスペアタイヤ交換ツールを入れるスペースに一緒に置いておけます。